白石 信二さん

 事の始まりは数年前に職場の先輩に誘われてボランティア研修に参加。子育てもひと段落し、バイク、絵画(デッサン)のほかに体を動かすことはないかと考えていた頃。

 期待以上に体を使う作業で、野焼きではシューターを背負って急峻な牧野を駆け回り、輪地切りでは刈払機を動かしながら熱中症になる寸前も体験。しかし、終われば足腰の痛さも忘れてしまう達成感がおとずれる。

 リーダーであることは責任が生じることでもある。参加者を無事に家族のもとに帰す事がリーダーの役目である。そのためにボランティアの方が迷わないように的確な指示、簡潔な指示を出すように心掛けている。ボランティアの中では若輩者であるが、そのためには時にはきつい口調になるのもいたしかたない事でもある。この場を借りてご容赦ください。

 千年近くの歴史からすれば、野焼きに危機感を出てきたのはつい最近のこと。社会の変化に諍うようなことかもしれないが、変えてはならないものとして後世に残したい。社会がどのように変化しても、阿蘇は変わらない、変えない。

(草原だより 83号より)